不気味の谷とは?
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昨今のロボット技術の発展にはめまぐるしいものがある。
それも何かの製造に利用されるロボットだけではない。
人間の動作をシミュレートするロボット技術もである。
そこで今回はこのニュースから
今回気になったのは
「不気味の谷」
という言葉である。
「不気味の谷」とは記事本文より
「不気味の谷現象」とは、人間によく似たロボットに対する人間の感情を説明する仮説であり、ロボット工学者の森政弘が初めて唱えたものだ
ということである。
今回はその森先生の記したエッセイから「不気味の谷」について紐解こうと思う。
「不気味の谷」について詳しく
人間のロボットへの親愛感は人間に近づくほど増加関数のように増加していく。以下がそのグラフである。
産業用ロボットは無骨であるが、おもちゃのロボットはかわいらしい印象をうける。
ホンダのアシモも親愛感の沸く見た目である。
しかしながら人間に近づくほど負の親愛感、つまり不気味感が出てくるのである。
これが「不気味の谷」である。
たとえば義手義足が人間のそれと変わらぬ見た目なのに対し
それが本物ではないときがつくと不気味感に襲われるのと同じであるということらしい。
言い換えると親和感の谷である。
不気味の谷の解決法は?
まず、森先生は解決法に動きを加えることについて考察している。
動きは動物、人間、ロボットの基本的なものである。
産業用ロボットは動くことで特に不気味に感じることはない
それこそ無骨という感想しか出ないであろう。
しかしながら、義手がひとりでに動き出したらどう感じるだろうか?
また、森先生が人間に近いほうであると述べている文楽人形でさえ、ひとりでに動き出したら怪談でしかないわけである。
つまり、「不気味の谷」に存在しているものは動きが加わることでさらに谷を深くしてしまっているのである。
つぎにデザインによる不気味の谷の脱出について考察している。
これは簡単に記すと不気味の谷の左の頂点に合うようなデザインのほうであれば「不気味の谷」に入らずとも、より親和性の高いものになるということである。
解決法の一つであるがあくまで対症療法でしかない。
まとめ
森先生は「不気味の谷」を人間の自己防衛本能の重要な一部をなしているとしている。
また、結びにこのように記している。
とくにそれは、風とか水とかいった類の、人体からかけはなれたものに対する防衛でなく、きわめて身近かな、たとえば死人とか異なった種とかに対する防衛のために用意された本能ではなかろうか。
むすび
結局のところ「不気味の谷」は人間の防衛本能によるものであるらしい。
果たして、不気味の谷を越えて人間とほぼ同等のロボット、「アンドロイド」ができる日はいつになるのであろうか。
今回、このことが心理学的に実証されたということで今回はロボット工学者の森先生のエッセイよりまとめさせていただいたが、いずれ機会があれば心理学的な境地からみた「不気味の谷」についてもエントリーを投稿できたらと考えている。
以下、参考文献