みならい化学屋の実験室

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消えゆくもの、生き残るもの~淘汰され行く遺伝子~


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遺伝子

それは生物の設計図である。

正式名称デオキシリボ核酸とよばれるこの物質は

二重らせん構造をつくり

アデニン、グアニン、シトシン、チミンという四つの塩基によって

プログラミングされた設計図なのである。

その設計図は親から子へ伝えられる。

その時、すべてがコピーされるわけではない

改良やコピーミスが行われながら遺伝する。

それが極端な例を進化と呼んでいる。

今回のニュースはこちら

wired.jp

男性諸君には少々ショッキングな話ではあるが

今までオスの存在理由は実証されていなかったのである。

正直なところ単純に考えると単体として次世代の個体を残せないオスと言うのは重荷に他ならないわけである。

一応、メスをめぐってオス同士が争うことによって遺伝子に多様性を持たせ、環境の変化に耐えうる種を生み出すという仮説の元、オスの存在理由は証明されているだけであり、実証はされていなかった

今回、この記事によるとそれが実験により実証されたということである。

性淘汰

この記事にはダーウィンが性淘汰と定義したもの」が実証されたとある。

性淘汰とはwikipediaによると

 異性をめぐる競争を通じて起きる進化のこと。クジャクやシカのように雌雄で著しく色彩や形態・生態が異なる動物について、その進化を説明するためにチャールズ・ダーウィンが提唱した

と、ある。

つまり、生き物には求愛行動をとるもの、孔雀のように一方の性別だけ派手なものなど、雌雄で違いが大きい動物の進化を説明するための仮説である。

性淘汰の種類

同性間競争

異性をめぐって同性同士が争うと言うものであり、同性間淘汰とも言われる。

簡単に言えば取り合いである。

配偶者選択

配偶者を個体が選ぶときに起こるもので異性間淘汰ともいう。

簡単にいえば選り好みである。

性的対立

雌雄間で繁殖に関する最適な戦略が異なる場合におきる対立である。

物騒な話だが子殺しがこれに当たる。

以上により性淘汰が起こるとされている。

実証

この記事によると

強い性淘汰にかけられた集団は、強い耐性を示して、有害な変異が過度に蓄積して絶滅するまでに、20世代もの間、同系交配によって生み出されて生き延びた。これに対して、性淘汰がより弱かった、あるいはまったくその影響がなかったグループはより耐性がなく、10世代の間にすべて絶滅した。

とある。

つまり、性淘汰が強いほどより強い子孫を残せたわけである。

それは性淘汰が強い環境ではさまざまな優位性を持つ雄しかパートナーが見つけられないわけであるからより優秀な遺伝子が子孫に伝わりやすいということである。

つまり性淘汰によって、より優秀な子孫を残せるという点でオスの存在価値は証明されたのである。

まとめ

この記事はこう締めくくっている

わたしたちが導き出した結果は、性が支配的な生殖システムであり続けているのは、性選択がこの重要な遺伝的利益を与えることを可能にするからだ、という考えを支持する重要な証拠です。

つまり、オスの存在価値は有性生殖の優位性を物語っているのである。

むすび

はるか昔、有性生殖への分化が起こったときから性淘汰はあったのだ。

そんな無数にあったであろう遺伝子の淘汰から生き残ったのが

いま現在存在している生き物であるということなのである。

以下、参考資料

1:性淘汰 - Wikipedia

2:性的対立 - Wikipedia

なお、実験条件などはニュース記事の内容を参照いただきたい。