白熱灯&蛍光灯製造中止へ!第三回、LED照明について
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この時期の風物詩も今じゃみんなLED
第1回
第2回
と、白熱電球と蛍光灯についてそれぞれお伝えしてきた。
最終回、第三回である今回はそれを置き換えるLED照明について解説したい。
目次
LED照明
LED照明はwikipediaによると
発光ダイオード(LED)を使用した照明器具のことであり、その使用そのものを指すこともある。
文字通り、LEDを用いた照明機器である。
LED(発光ダイオード)
LEDとは電気を流す半導体の一種であり、これはその中でもいわゆる「PN接合」をとっている。
PN接合
PN接合とはP型半導体とN型半導体を非対称に接合したものだ。
P型半導体とは「positive」つまり正孔が多い半導体である。
また、N型半導体とは「negative」要するに電子の多い半導体である。
この半導体同士が接合していると言うことで正孔と電子が同じになるように働く。
これがいわゆる「拡散」という濃度を一定に保つ働きである。
しかしながら正孔と電子はぶつかると消えてしまう。
そのため接合付近は正孔と電子もない空間が出来る。
これを「空乏層」という。
これによりN側の結合付近でない部分には電子が多数存在し、P型の同様の部分には正孔が多数存在する。
その為N型とP型の間には電子の差のせいで電位差が生じる。
これを「拡散電位」という。
この電位差によって電気が流れる向きと流れない向きができるのである。
なぜ光るのか
これには上の項目で述べた。
「正孔と電子はぶつかると消えてしまう」
この点が関係している。
本来は消えてしまうと言うよりもそれぞれが持つエネルギーより低いエネルギーを持つものになるというほうが正しい。
そのときのエネルギーの差が光エネルギーに変換される。
それこそがLEDが光る仕組みなのである。
なお、その時熱も発生するが
ほとんど熱としては無視できるものである(高出力タイプを除く)。
なぜ最近LED照明が注目されているのか
もともとLED自体は1962年に発明されている。
しかしながら当時は赤色しかなく、遅れて1972年に黄色LEDが発明された。
また、青色LEDはさらに遅れて1993年に発明されたものであり、これこそが照明に使用するための白色光を出すためになくてはならないものだったのである。
青色LED
窒化ガリウムを原料とした発光ダイオードで中村修二氏が勤務先であった日亜化学工業で発明したものである。
これについては後に「青色LED訴訟」という訴訟問題もあったため世の中の方もご存知の方は多いと思う。
白色LED
蛍光体を用いたもの
フルカラーLEDを用いたものの2種がある。
前者をシングルチップ型といい
後者をマルチチップ型と言う。
また、蛍光体を用いたものにも分類があり
黄色蛍光体のみを用いたもの
赤・黄色蛍光体を用いたもの
これにも2種ある。
こちらは後者を用いたほうが色が鮮やかに表現できると言う利点がある。
そしてフルカラーLEDはより自然な白に見えると言う利点がある。
問題点
LED照明の問題点としては劣化と放熱問題、そして静電気対策が挙げられる。
LED照明を構成しているエポキシ樹脂は青色光に含まれる紫外線によって劣化しやすくなってしまう問題を抱えている。
そしてLEDは熱に弱いため、微弱な放熱であろうと対策をせねばならない。
また、半導体素子は静電気に弱いためその対策もせねばならない。
まだまだ、問題は多いのである。
まとめ
つまり、青色LEDが発明され、その技術開発が進んだ結果としてLED照明の躍進があるのである。
前の記事でも書いたとおり理論上の効率、寿命は紹介した3種類の中ではもっともよいものである。
その為、環境にもよいことになる。
しかし、実は経済性、つまりランニングコストとしては白熱電球にかろうじて勝ち、ものによっては蛍光灯に負けるものもあるため
白熱電球<LED照明<蛍光灯
になっている。
しかしながらLED照明は技術革新が進んでいる上
大量生産により安くなることが考えられるので
蛍光灯を抜くのも時間の問題である。
やはり、白熱電球と蛍光灯は製造中止になっても仕方がないのである。
三回に渡ってお送りしてきたこのシリーズはこれにて終了である。
このシリーズが皆さんの照明機器に関する知識の一助になればと思う。
白熱灯&蛍光灯製造中止へ!シリーズリンク
第三回、LED照明について(本エントリー)